ウイルスバスターほか、人気タイトルが続々登場
バナー広告も必要性がなければ設置しないようにしています。
サイトと無間係な広告がトップに出ていても、邪魔に思われるだけですから」(ゴルゴンゾーラ担当者)というように、目先の利益よりも、サイトの雰囲気やユーザーの利便性を第一に考えている。
過度な儲け主義に走り、ユーザーを失うという例は、ケータイ以外の媒体(雑誌やPCサイトなど)でも見かける。
ゴルゴンゾーラが、中高生に絶大な支持を受けるのも、このような「ユーザー本位の姿勢があってこそ」といえるだろう。
事実、ゴルゴンゾーラは、広告を打つこともなく、ユーザーを急激に増やし、現在の会員数は延べ300万人。
アクティブユーザーだけをカウントしても、約135万人が同サイトを利用しているという。
売上高、収益などは非公開だが、「ユーザーは開始して半年で20〜30万人集まりました。
サイトは、その時点で黒字化しています」(ゴルゴンゾーラ担当者)しかし、単に「着信メロディをダウンロードできる」というだけでは、ユーザーがサイトに飽きるのも早いように思える。
市場は着信メロディから着うた、着うたフルに移り変わりつつあるのに加え、着信メロディは競合他社も多い。
ゴルゴンゾーラにユーザーが引き寄せられる秘けつは、コミュニティにあるのだ。
深夜ラジオ鳳のフレンドリーなコミュニティものは試しに、ゴルゴンゾーラにアクセスしてみてほしい。
それだけで、同サイトに集まるユーザー層がおぼろげながら分かるはずだ。
サイトの文章は管理人の「ゴンゾー」が、ユーザーに語りかけるスタイル。
ユーザーが投稿した文章や写真を掲載しているページもあるなど、サイトとユーザーの双方向コミュニケーションも活発だ。
その雰囲気は、あたかも深夜ラジオやマンガ雑誌の読者投稿コーナーのようである。
発表された投稿を見ると、ユーザーが積極的にゴルゴンゾーラを利用している様子がうかがえる。
「ユーザーからのメールは月に4万通ぐらい届きますね。
着メロを作ってくれるゴンゾに、友達やお兄さん感覚で接してくれているからこそ、これだけの反応があるのではないでしょうか」(ゴルゴンゾーラ担当者)ゴルゴンゾーラの「友達感覚」は、企業とのタイアップイベントでも貫かれており、ユーザーは広告と意識せずに、イベントを楽しむことが可能だ。
例えば、原稿執筆時点でゴルゴンゾーラにアクセスすると、トップページには、週刊少年ジャンプで連載中の人気マンガ『ワンピース』と、コンビニエンスストア大手の「ローソン」がコラボレーションした画像が貼られている。
サイトには「ローソン宝箱」というものが設置されており、ローソンで販売中のワンピース関連商品に関する質問に答えると鍵が開き、プレゼントが当たるなど、ゲーム感覚のイベントが満載。
ゴンゾーが製品を紹介する日記やムービー配信のほか、ユーザーからの写真投稿を受け付けているなど、単なるタイアップにとどまらない、ユーザー参加型のコンテンツになっていることが分かるだろう。
レイドのゴルゴンゾーラ担当者によると、このようなタイアップイベントは頻繁に行われており、ユーザーの人気も高いという。
「最初のタイアップイベントは、2004年末に日本コカ・コーラさんと行った、『近所のコカ・コーラの自動販売機の写真を送ってくれー・』という企画で、北海道から沖縄まで、全国からたくさんの応募がありました。
採用されるとドリンクが50本もらえたのですが、採用されるのは30人程度なんです。
確率的には、ものすごく低いのですが、それでもみんなが応募してくるのは『ゴンゾーに紹介されたい』『採用されてクラスのみんなに自慢したい』という純粋な欲求があったからではないでしょうか」(ゴルゴンゾーラ担当者)同氏が「広告は邪魔なものではなくコンテンツになりえる」というように、ゴルゴンゾーラでのタイアップは、あくまでもコミュニティの雰囲気を崩していない。
また、コミュニティとはいえ、ユーザー同士が連絡を取ることはできない。
投稿のなかからサイト側が選んで掲載するという形を取っているのも特徴だ。
「なぜ掲示板のようにユーザーが自由に書き込めるようなものを作らないのか」という問いにはこう答える。
「自由に投稿できるコミュニティにしてしまうと、荒れるきっかけになり、その結果、サイトがつまらないものになってしまいます。
ゴンゾーがサイトをコントロールすることで、コミュニティを面白いものにできるのです」(ゴルゴンゾーラ担当者)このような運営方針が功を奏し、ゴルゴンゾーラに注目するナショナルクライアントも多い。
先に挙げた、ローソンや日本コカ・コーラのほか、ロート製薬や講談社、ナイキ、オリエンタルランド、サントリー、マイクロソフトといった、そうそうたる企業が、ゴルゴンゾーラとタイアップイベントを実施しているのだ。
「友達感覚なので、ユーザーの反応も非常にアクティブです。
ナショナルクライアントも、個人サイト的な雰囲気を活かした企画に乗ってくれるので、その場の思いつきのようなアイデアも、どんどん企画に取り入れています」(ゴルゴンゾーラ担当者)このようなイベントから、ゴルゴンゾーラ発のアーティストまで誕生している。
2007年2月にCDデビューを果たした「外川陽子」というアーティストは、ゴルゴンゾーラのユーザー投票で選ばれた。
デビュー曲の歌詞は、ユーザーから公募したものを、アーティストの川嶋あい氏がまとめている。
同サイトは、サイト内にとどまらず、リアルな世界を変える力も持っているのだ。
着信メロディをきっかけにユーザーを集め、コミュニティでユーザーが定着する。
流行中のウエブ2・0とはまったく異なるタイプのコミュニティだが、「投稿」風の雰囲気を出せたことが、ユーザーから支持されたのである。
だからこそゴルゴンゾーラは、息の長いサイトとして、中高生に親しまれているのだ。
ユーザー本意を貴くゴルゴンゾーラの「姿勢」こそ、多くの企業が学ぶべきものなのかもしれない。
2つのコミュニティに共通するユーザー本意の姿勢モバゲータウンやゴルゴンゾーラは、大人からすると、一種独特の雰囲気を醸し出しているようにも見える。
しかし、両サイトの雰囲気こそ、10〜20代のユーザーにとっての「リアル」なのだ。
コミュニティは、ユーザーがあって初めて成り立つサービス。
その意味では形こそ違えど、両サイトとも「常にユーザーのことを考える」という姿勢を忘れていない。
常にユーザーと接し、自分も一ユーザーになってみる。
このような姿勢があるからこそ、両サイトに多くのユーザーが集まっているのだ。
無論、両サイトが勝手サイトであることも忘れてはいけない。
結果として、勝手サイトを選択したモバゲータウンやゴルゴンゾーラが成功しているように、ユーザーは、公式、勝手の関係なく「使いやすくて楽しいサイト」を選んでいる。
キャリアのレギュレーションは、安心感を高める効果がある一方、コンテンツの自由度やスピード感が阻害されてしまう。
もし、両サイトが「課金がしやすい」という事業者本意の姿勢で公式サイトを選んでいたら、ここまでの支持は得られなかったはずだ。
広告市場の伸びや、コンテンツ市場の変化を的確にとらえただけでなく、ユーザーの望んでいることをいち早く実現したことが、両サイトの成功に、大きく貢献していることは間違いない。
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